賃貸か持ち家か【後編】判断基準はお得かどうかではない

 

前回↓

musashi-kana.hatenablog.com

の続きです。

 

「いや、34年目で区切るから損なのであって、40年、50年目には家賃負担がないのだから、トータルで見れば得だよ!」という方。

 

その40年、50年の間、

・隣近所に変な人が引っ越してきてトラブルになるかもしれない

・子供が学校でいじめられて転校したくなるかもしれない

・転勤もしくは転職して新しい職場が遠くなるかもしれない

・周囲に高層マンションができるかもしれないし、ごみ処理場ができるかもしれないし、お気に入りのスーパーも本屋もカフェも撤退してなくなるかもしれない

金利が急上昇してローンがきつくなるかもしれない

・病気やリストラや倒産でローンが返済できなくなるかもしれない

・出産や離婚や死別や親との同居で必要な間取りが変わるかもしれない

・介護が必要になって介護施設に入るかもしれない

・その他自分には予想もつかないような理由で地価が暴落するかもしれない

これらのリスクに見合いますか?

上記の末尾に「けれど、ローンがあるから引っ越せない」と付け加えてみても、特に困りませんか?

 

 

「いや、その時は売ればいい。買った時よりも価値が上がっているはずだ!」という方。

残念ながら、奇跡的な幸運の持ち主でもない限り無理でしょう。

そもそも、資産価値の上がるような物件自体が、今の日本ではレアケースです。

そして、もしそのような物件が売りに出た場合、不動産投資のプロや資産家が手に入れる方が早いです。

ですから、営業マンの言う「資産になりますよ!」も、信じてはいけないわけです。

蛇足ですが、上記のような理由で売りたい場合、たいてい「すぐに売りたい」ですよね。ということは買い叩かれやすいので、ますます不利です。

 

 

 

では、どんな人も持ち家は買うべきではないのでしょうか?

 

私は、そうは思いません。

この記事の冒頭で挙げたようなリスクを鑑みたうえで、「それでも○○という理由があるから購入する!」という方は、購入すれば良いと思います。

 

リスクについて知らず、営業マンの言葉をうのみにして、言われるがままに購入するのは避けるべきだと思いますが、リスクを検討したうえで、「自分にとってそのリスクを取るだけの価値がある」「マイホームは自分にとってそれだけ必要だ」と、そう思うのであれば、止める理由はありません。

 

 

 

前回申し上げた私の結論を再度ここで示しますが、「必要性がリスクに見合うなら買う」です。

 

今の私と家族にとって、持ち家はリスクに見合っていないので買いません。

前回挙げた例で言うと、35年後の収支や家族構成によって、築35年のアパートを5万円で借りるか、築7年のマンションを8万円で借りるか、選択すれば良いと思っています。

でももしかしたら今後、リスクに見合うような理由が出てくるかもしれません。

 

「あなたにとってリスクに見合うかどうか」「どれくらい必要なのか」は、あなた自身にしか判断できません。

賃貸だろうが持ち家だろうが、後悔しない判断であればそれが正解だと、私は思います。